苦手なもの: たくあん、トド肉、混雑した街、走ること。



それなのに。

それなのに、今年、山を歩いたり走っているうちに、「あら、もしや街も走れるかも私」と、脳裏に余計なアイデアが浮かんでしまったが最後、その可能性を試してみたくなるのが、どうにも悪い癖だ。誰にも頼まれていないのに、自ら、窮地に・・・辛い場所に追い込んでどうする、と思いつつ、しかも、肋骨のせいで、全然走れないままに、この日を憂鬱に迎えた。


21.0975キロは、今までの人生で、一番長く走った距離だ。まさか、走りきれるとは思わなかった。しかも、制限時間以内の完走を目指していたのに、終わってみれば、タイムは2時間切っていた。やるじゃん、私。



もう、走るの、苦手じゃないぞ。


というわけで、2007チャレンジ全部達成ご褒美に、しばらく南の島にいってこよう。いいトレイルが沢山あって、燦々と太陽が照る島へ!




私にとってあんまり都合よろしくない事実といえば、


普段はエコ派をきどってるくせに、


上映開始から1年も経って、初めて足を運んだ


不都合な真実


しかも、それは、ゴアさんがノーベル賞取ったから、というわけでなく、


「近所で無料でやっていたから」


という、浅はかな理由だ。


中野区民じゃなくて、しかも、まだ見てない人のために書いておくと、ノーベル賞受賞記念で、12/13,14は、500円で見られるらしいよ。



***


で、映画の感想。


映画で訴えていることは、まあ、今更な内容なので、あえて、ここで取り上げるまでもないのだが、そんなことより、ゴアさんだ。


「一瞬だけ大統領だったアル・ゴアです」という登場で掴みバッチりの、アメリカ人トップ2な彼の、1時間半にわたるプレゼンがすごい。姿勢、口調、から始まり、持ってくるデータやお涙ちょうだいな家族の事例、アニメーションで分かりやすく、強調したい場所は大道具使ってわざとらしく大げさに、といった具合の、すばらしいプレゼンテーションっぷりに感動、だ。




で、その後行った飲み屋は、「マイ箸もっていたらビール(630円)1杯無料」だった。エコバッグは持ち歩いても、アラスカで作成したマイ箸はあいにく持っておらず、ああ、そっか、ビールのために、マイ箸持ち歩かなくっちゃね、と、その日一番、「私にできる10のこと」(映画の最後に提唱されるお題目)を実践したい、と、感じた瞬間だった。


映画、あんまり役に立ってない。



「ノースウッズはあまりに広く、ひとつしかない肉体と、人生という限られた時間について考えると、しばらく途方にくれてしまいます。」


***


9月、ユーコンの川下りに行ったとき、お客さんのよっちゃんが、一冊の本を鞄に忍ばせてきてくれた。「bettyはこの本好きだと思って」と、渡されたその本。まあ、よく日本からこんな場所までやってきてくれたねぇ、と、何だか嬉しく、早速ユーコンの川の音を聞きながら、アスペンの木漏れ日を暖かく背中に受けながら、ゆっくりと、ページをめくった。


小学生向けに平易に書かれたその写真絵本は、

キースにどこか面影が似た白髭の男性が、春、湖を、カヌーで旅する物語、で。


手作りの使い込まれたパドルや、古い形のテントやバックパック、ちょっと頑固そうな男性の横顔、苔むした森にひっそり落ちているカリブの角・・・、


どのページをめくってもめくっても、はぁ、とため息ついてしまうような広がりのある写真ばかりで、まあ、それを読んでいた、ユーコン川ほとり、という、絶好の環境も手伝って、私はどっぷりと、その世界に入り込んでしまったのだ。瞬間、仕事も忘れて、時間も忘れるくらいに。


北の大地を書いた本、北の大地を写した写真集は、星野道夫はじめ、数多く見てきたけれど、今までのどれよりも、惹かれる視点で見ていて、そして編み上げた作品だった。


作者の、大竹英洋 、という名前は初耳だったが、プロフィールを見ていたら、3つ違いの大学の後輩だ、ってことも手伝ってより親しみを覚え、その名前を、手帳に書き留めておき、日本に戻ってから、感想を送った。




そうしたら、この秋、久々に日本に戻ってき写真展を開くのだ、と、BCCで受け取ったメールに書いてあった。どんな方かもしらないし、会ったこともないのだけれど、なんだか、そのメールにあった、「限られた時間に途方にくれる」というその一文にカッツーンとやられてしまったので、直感を信じて、さっそく見に行こうと思う、明日からの写真展。



よっちゃんが見せてくれた写真絵本は、

たくさんのふしぎ ・・・「春をさがして 」っていう本で、


最近、大竹さんからきたメールに書いてあった写真展は、

明日から、学芸大学の喫茶店で、開催。

reena


久々にNOLSネタ。


マウンテニアリングコースのインストラクターだったリーナは、普段はヒマラヤに登るインド人女性で、私より数歳上のお姉さん。(写真右)


英語は、ネイティブほどには流ちょうではないけれど、だからこそ、親近感と信頼感を持っていた。アメリカン・カナディアン・男性陣・白人に囲まれて、どうも微妙にアウェイ感漂う私たちは、かなり仲良くなり、氷河の上では、心身ともに辛く、何度も心折れそうになる私に、時に冗談交えながら、自分の体験談を話しながら、山の素敵さを教えてくれた。



で、この間、氷河でなく、コンクリートの上で彷徨っていた私は、ふと思いたち、彼女に相談を持ちかけた。そうしたら、氷河の上同様、単純明快、素敵なメッセージを送ってくれて、ストン、と、すべてが腑に落ちた。


そう、どうすべきかは、

そう、自分の心に、聞いてみよう。




Follow your heart!!

What does your heart say? If you really want to do it, from the bottom of your heart, the 95% of the decision is made. NO ifs and buts.


After you make up your heart, you can work towards your dream.


胸に手を当てて聞いてみてごらん。

心は何て言っている? もし・・・とか、でも・・・っていうんなら、その答えはNOだし、でも、心底それをしたいと望んでいるなら、あとはそこに向かって走っていくだけですよ!


「わかりました。「中野」ってところへ行けばいいんですね」

「東京は、人がいっぱいですねぇ。すごいなあ」


と、電話の先で外国人みたな発言をし私を不安にさせつつも、新宿の難関乗り継ぎに成功し、無事、待ち合わせ場所までやってきてくれた山坊主ことJUN


初めて会うのに、すぐに分かったのは、人通り多い待ち合わせの雑多な駅前の景色で、彼だけ浮き上がって・・・馴染んでいない様子で、所在なげに立っていたから。


JUNは、フランス山岳ガイド目指してシャモニーで勉強中の若者だ。(冬の間日本に一時帰国中。)植村直己に憧れ、山の世界へと入った、魂アツイ、28歳。(省略しすぎ。長い紹介は このページ


何かを成し遂げてすでに有名な人はもちろんすごいけれど、今は何者でもないけれど、自分を信じてその道に向かって、すべての楽な道を切り捨て、ストイックに邁進しつづけている人に出会うほうが、ドキドキする。まだ掴み切れていないその夢は、でも、迷いのない目を見ていると、きっと、手中にする日がくるんだろうなと思わせてくれる。


その直球の熱は、戸惑うほどに熱くて、魅惑的で、そして、自分の弱い心を静かに叱咤激励してくれる。久々に、この熱に触った夜だった。




街中より、きっと、山で会った方がかっこいいであろう、彼のフランスの写真を借りて載せておきます。今後、彼とどう関わっていけるか、楽しみ。楽しみ。



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今から遡ること3ヶ月前。

夜25時、神戸の飲み屋にて。


私「ああ、神戸って、震災ボランティア以来だー。何もしらない。どこもしらない。」


マッキー 「神戸って何が有名かなあ。六甲山?そういえば、六甲山って縦走 できるんだよ。11月に、神戸市がイベント開くの。私は無理だけど」


私「それいいね!やろう」


と、酔っぱらいの、どうでもいい流れで始まったこの企画は、「そんな、56キロなんて歩けない」というマッキーを、毎週末、裏山へ、自主トレーニングに向かわせていた。



で、3ヶ月後の先週末、神戸から大阪から東京から集まった、合計9人(+応援サポーター3人)で、須磨から宝塚まで、朝5時から夜7時まで、てくてくてくてく、とことこととこ、歩いてきた



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途中、一緒に歩いていたジンちゃんやタケちゃんやマリオが、「地元ローカル」の強みで、「あれが明石大橋で~」「ここが日本一古いゴルフ場で~」「神戸空港と関空の近さと問題点は~」と、見える景色をネタに、溢れる知識を惜しげなく披露してくれたので、今や、神戸ツウの私だ。


ポートアイランドや異人館や美味しいケーキ屋さんは知らないけれど、海と街と山が近い神戸の距離感も、夜景のきれいな場所も、芦屋と西宮のどっちが西側にあるのかも、淡路島がタマネギでできていることも、宝塚の高級住宅街も、きっと美味しいジンギスカン屋の漂う香りも、知っている。街から10分で山に入れて、その山には無尽蔵のトレイルがあるこの街、おそるべし、だ。


「地元の人と一緒に歩く」っていうのは、その街を知って、そして好きになる、意外によい手段なのだなあ。来年は、東京から、もっと沢山の友達を連れて行こう。


***


「神戸にアルプスがあるって知ってた?」が、合い言葉です。声をかけられた方、ぜひ一緒に行きましょう。神戸っ子と友達になりましょう。



「えー、そんな距離歩けない」と思った方。

大丈夫。マッキーが歩けたので大丈夫。準備の仕方は、彼女が教えてくれます。


「えー、なんでそんなに歩くのが楽しいの?」って、そこから疑問に思う人は、まずはこの本読んでみるといいです。きっと、歩きたくなります。


恩田 陸
夜のピクニック (新潮文庫)


***


私はもう今年で満足 ですが、来年5月に100キロ歩きたい方へ。2008年、日程発表です。


OXFAM TRAILWALKER

肋骨折った。

笑うと、くしゃみすると、胸がズキンズキン痛む、ここ数日。恋の痛みじゃないのが悔しい。



が。


ろっこつは折れていても、

ろっこうへ、六甲へ、歩きに行ってきます。50キロほど。


マッキーが、2007年のチャレンジ だと意気込んでいるので、助っ人だ。「50キロなんて、ゼッタイ無理~!」と言っていた3ヶ月前の彼女を知っているだけに、どうなることやら、楽しみ。自分のチャレンジもいいが、人のチャレンジに首つっこむの、キライじゃない。


かくいう私は、手帳の裏に「今年の目標」を密かに書いているのだが、4つあるうちの3つは終わった。あと1つは、12月に、挑戦。小さなことだけど。そして、2007年手帳の隣には、まだ真っ白な2008年の手帳が控えている。


ちょっとしんどい目標は、目につくところに書いておき、そして、他人に宣言してしまい、かっこうわるくて後に引けない「ああどうしよう背水の陣」作戦が、意外に成功度高い、私のやり方。


でも、本当に大事な目標は、無闇には口外しない、か。


***


神戸にいくついでに・・・

春のアラスカの話します。

来てね。


日 時:11月24日(土)14:00~16:00
場 所:ICI石井スポーツ神戸店5F ユーロトレックデスク
参加費:無料

主催:ユーロトレック 078-391-8162 trek@euro.co.jp


アラスカでの原野キャンプ生活は、


荷物重たいし、

藪漕ぎ疲れるし、

食事は単調だし、

健康にはいつもの100倍気を使わないといけないし、

風呂に入れないし、

着替えないし、

トイレットペーパーすらないし、

蚊に刺されるし、


やっているときは、どっちかといえば「楽しい」からはほど遠い状態なんだけど、しばらく離れると、「ああ、あのときは楽しかったな」、となるから不思議だ。


この学校のディレクターが、言っていた。


「楽しいにはね、3つあるんだよ。


その時楽しくて、後から思い出しても楽しかった、ってこと

その時は楽しくなかったはずなのに、でも思い出すと楽しかった、ってこと、

その時は楽しかったのに、後になってみると、そうでもない、ってことの、3種類」



アラスカの生活は、2番目の楽しさだったのだ。ボジョレヌーボーを飲む、なんていうイベントは、3番目。3番目が悪い訳じゃないけど、花火みたいな、その場限りの楽しさ。



***


今、冬のアラスカの企画をしながら、現地で何考えていたっけなぁ、と、去年や一昨年の、自分の日記を振り返ることが多い。と、そこには、青臭い、初々しい、自分の姿が透けてみえるのだ。うぅ、恥ずかしい。


なんというか、「確かにそのときは最高だと思っていたはずなのに、今考えると、そうでもない」って記事が多くて、何こんな小さなことで、勢いごんでいるのだ、自分は、と、赤面してしまう。若気の至り、か。この記事も、来年読むとそう思うのだろうか。



情熱大陸系男・谷角さん は、箱根で、こう言っていた。


「ライバルは他人じゃなくて自分です。以前に撮影した場所でも、今の自分なら、よりよく撮影できるはずだから、同じ場所を撮っていても、決して飽きることはないんですよ」


***


人生は螺旋階段。横軸は同じ場所にいても、縦軸は、どんどん上へ上へと登っていこう。恥ずかしさは、きっと、上へ登っている証拠。





箱根の秋を捕まえに 行ってきた。



箱根だよ、箱根。

もう10000回くらい訪れたことのある馴染みの場所で、

しかも、当日は、雨、くもり。


日本ではあまり写真撮る気がおきない私は、結局のところ、「絶景ハンター」でしかないのだと思う。

つまり、私が撮る写真なんて、いいも悪いも、誰もがそこにいけば切り取れる、景色貢献度100%の場所なのだ。アラスカにいって、つまんない写真が撮れるわけがない、そんな場所。


だから、いくら紅葉の季節とはいえ、景色貢献度30%くらいしかない箱根で、いったいどんな写真が撮れるのやら、と、半分楽しみで、半分は疑心暗鬼だった。



ということを話すと、写真家タニカド氏は、「大丈夫ですよ。」と、いつもの不敵な笑みを浮かべる。そして実際、本当に何でもない、いつもの場所なのに、彼が覗くファインダーの先には、「おおお!?あらあら!?」な、自然豊かで、情緒溢れ、歴史を感じさせる一風景が、広がるのだ。


同じところを写しても、同じにはならない不思議は、

露出やシャッタースピードやといった技術云々よりも、


場所を切り取る力、の差か。



きれいだ、と思った赤い紅葉の、その奥にあるゴミバコや電柱は、私の目には見えていない。人の目は、物事を平等に見るのではなく、いいものだけを、選り分けて見ているのだ。ところが、カメラは、そんな都合いいことはしてくれないので、当然、ゴミバコも、電柱も、そのままに写り込む。


だから、要らないものは排除する。その写真に語らせたいストーリーに必要な不要な小道具は何か、を考えて撮ろうね、というのが、この日の学びなのだった。



邪魔なものは無意識に見ていない人間の目。

全部見えているから、意識して消してあげないといけない写真。


ああ、写真も、人間の感性も、何だか奥が深いのぉ・・・、と感心しながら歩いた、箱根の休日だった。



私の「邪魔なものも全部写り込んだ」マヌケな写真は、ラッキーなことに、接続ケーブル不調につきアップできないため、


お手本写真だけを、こちらから。

オーロラの降る街



***


旅には欠かせないカメラ。

よりお気に入りの1枚を撮るための、この「もっと写真が好きになる」講座、今後も不定期に開催予定!






banzai

お久しぶりだ。

パソコン嫌い病、発症中。今回は、久々に重症。


***


山を走るようになると、「いかにコースタイムを縮めるか」とか、「この下り坂でどれだけキョリを稼げるか」とか、そんなことばっかり考えるようになって、まあ、それはそれでいいんだけれど、


久々に、「標準コースタイムの2倍」くらいの時間をかけて、ゆっくり歩いてみると、思いがけず、バルタン星人・・・バンザイ星人に会ったりして、ああ、こういう、ゆっくりの時間も、愛おしいよな、と思う、10月末、新潟。




新宿生まれで新宿大都会育ちのウメちゃんが、「山を見ていないと落ち着かない」と言って、この春から、新潟に移住した。


新潟のこの場所は、夜、びっくりするくらい静かで、朝、空気がピチピチと清んでいて、ウメちゃんが笑顔の理由が、今の私には、よーく、分かるのだった。