箱根の秋を捕まえに 行ってきた。



箱根だよ、箱根。

もう10000回くらい訪れたことのある馴染みの場所で、

しかも、当日は、雨、くもり。


日本ではあまり写真撮る気がおきない私は、結局のところ、「絶景ハンター」でしかないのだと思う。

つまり、私が撮る写真なんて、いいも悪いも、誰もがそこにいけば切り取れる、景色貢献度100%の場所なのだ。アラスカにいって、つまんない写真が撮れるわけがない、そんな場所。


だから、いくら紅葉の季節とはいえ、景色貢献度30%くらいしかない箱根で、いったいどんな写真が撮れるのやら、と、半分楽しみで、半分は疑心暗鬼だった。



ということを話すと、写真家タニカド氏は、「大丈夫ですよ。」と、いつもの不敵な笑みを浮かべる。そして実際、本当に何でもない、いつもの場所なのに、彼が覗くファインダーの先には、「おおお!?あらあら!?」な、自然豊かで、情緒溢れ、歴史を感じさせる一風景が、広がるのだ。


同じところを写しても、同じにはならない不思議は、

露出やシャッタースピードやといった技術云々よりも、


場所を切り取る力、の差か。



きれいだ、と思った赤い紅葉の、その奥にあるゴミバコや電柱は、私の目には見えていない。人の目は、物事を平等に見るのではなく、いいものだけを、選り分けて見ているのだ。ところが、カメラは、そんな都合いいことはしてくれないので、当然、ゴミバコも、電柱も、そのままに写り込む。


だから、要らないものは排除する。その写真に語らせたいストーリーに必要な不要な小道具は何か、を考えて撮ろうね、というのが、この日の学びなのだった。



邪魔なものは無意識に見ていない人間の目。

全部見えているから、意識して消してあげないといけない写真。


ああ、写真も、人間の感性も、何だか奥が深いのぉ・・・、と感心しながら歩いた、箱根の休日だった。



私の「邪魔なものも全部写り込んだ」マヌケな写真は、ラッキーなことに、接続ケーブル不調につきアップできないため、


お手本写真だけを、こちらから。

オーロラの降る街



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旅には欠かせないカメラ。

よりお気に入りの1枚を撮るための、この「もっと写真が好きになる」講座、今後も不定期に開催予定!