アラスカでの原野キャンプ生活は、


荷物重たいし、

藪漕ぎ疲れるし、

食事は単調だし、

健康にはいつもの100倍気を使わないといけないし、

風呂に入れないし、

着替えないし、

トイレットペーパーすらないし、

蚊に刺されるし、


やっているときは、どっちかといえば「楽しい」からはほど遠い状態なんだけど、しばらく離れると、「ああ、あのときは楽しかったな」、となるから不思議だ。


この学校のディレクターが、言っていた。


「楽しいにはね、3つあるんだよ。


その時楽しくて、後から思い出しても楽しかった、ってこと

その時は楽しくなかったはずなのに、でも思い出すと楽しかった、ってこと、

その時は楽しかったのに、後になってみると、そうでもない、ってことの、3種類」



アラスカの生活は、2番目の楽しさだったのだ。ボジョレヌーボーを飲む、なんていうイベントは、3番目。3番目が悪い訳じゃないけど、花火みたいな、その場限りの楽しさ。



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今、冬のアラスカの企画をしながら、現地で何考えていたっけなぁ、と、去年や一昨年の、自分の日記を振り返ることが多い。と、そこには、青臭い、初々しい、自分の姿が透けてみえるのだ。うぅ、恥ずかしい。


なんというか、「確かにそのときは最高だと思っていたはずなのに、今考えると、そうでもない」って記事が多くて、何こんな小さなことで、勢いごんでいるのだ、自分は、と、赤面してしまう。若気の至り、か。この記事も、来年読むとそう思うのだろうか。



情熱大陸系男・谷角さん は、箱根で、こう言っていた。


「ライバルは他人じゃなくて自分です。以前に撮影した場所でも、今の自分なら、よりよく撮影できるはずだから、同じ場所を撮っていても、決して飽きることはないんですよ」


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人生は螺旋階段。横軸は同じ場所にいても、縦軸は、どんどん上へ上へと登っていこう。恥ずかしさは、きっと、上へ登っている証拠。