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デナリ国立公園は、公園のバスでしかなかに入ることができない。

でも、そのバスは、どこでも気に入った場所で気ままに降りられるし、手を挙げれば、(空席があれば)止まってくれる。


というわけで、私も、きままに降りてみた。タイガの紅葉きれいな場所で。


砂煙を巻き散らかして去っていったバスを見送ると、360度、そこにいるのは私ひとり。


てくてく、歩き始める。


クマ・・・はあいにく出なかったが、途中で、ウサギに遭遇した。


ウサギは、私を認識すると、逃げるでもなく、首をかしげて見つめてくる。


一歩、一歩。


もう一歩。


ちょっとずつ近づいていって、で、さらにウサギに「こいつ、誰?何モノ?」という顔をされながら近づいて、とうとう距離5m・・・、で、撮ったのがこの写真。


デナリ国立公園で、遠くからみたクマやドールシープやオオカミ?や、白頭鷲などの貴重な動物たちよりも、このウサギが一番心に残ったのは、


盗み見したのではなく、


ちゃんと目があって、会話できたから。

広い大地の中で、ふたりきりで。


2006.9 デナリ国立公園