0615


ツンドラの大地が、赤い絨毯を広げたように、真っ赤に色づき、
ポプラの木が、これでもかというくらい黄色く染まり、
葉という葉は、風に揺られてハラハラと楽しそうに踊って、
二日前に降ったばかりの初雪が、
ふんわりと遠くアラスカ山脈の山々を、真っ白に染めている。


大好きな秋のアラスカの景色を、沢山の人に 知ってほしくて、
この仕事をしているといっても過言ではありません。


アラスカでの毎日は、


深い深い青色の氷河の上を歩いたり、
氷点下のなかで焚き火を囲んで、 今夜も冷えるね、と上を見上げたら、オーロラが揺らめいていたり、
300キロくらい、誰にも会わない、家も店もない未舗装道を走り抜けたり
氷河の目の前でテントを張って、朝、氷河が崩れ落ちる音で目覚めたり


と、心が震える体験を繰り返します。


でも、何よりアラスカに私が心惹かれるのは、自然の大きさに、自分を小さく感じて、自然を「キレイ」じゃなく「畏れ多い」と感じさせてくれる場所だからです。地球に、こんな景色を残しておいてくれてありがとう、神様、と、日頃無神論者の私が真摯な気持ちで感謝するのです。


1週間、アラスカの大地に抱かれ続けると、自分の何かが、少だけ変わります。



2006年アラスカの旅