春、だった。
グランドサークルは、1年375日くらい晴れているんじゃないかと思わせる、カッラカラの乾いた赤い大地なのに。この地には、青い空と茶色い大地の2色しか存在しないと思っていたのに。
足下に目をやると、カサカサの大地から、みずみずしい花たちが、嬉しそうに咲いていたよ。小さな変化だけど、この地にも、四季がちゃんとあるんだね。
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最近、クライミング講習 は、立て続けに雨に降られている。
天気予報を過信して、無理矢理気味に催行した先週の土曜日は、駆け足気味の低気圧のため、結局、雨の中のロープワークになっちゃったんだ。
そんなとき、ガイドのナオヤくんは、こういう発言をする人で。
「みなさん!この新緑は、雨が降ってこそみずみずしくいられるんですよ。大地に雨は必要なんです。今日は残念だけど、残念じゃない。この雨の恵みに感謝して、今日というすばらしい日を送りましょう」
・・・だから、好き。
動物園のナマケモノみたいだけど。まあ、いいの。