「春の風が吹いているから、遊びにおいでよ」、と、
ケンさんが言うから、ほいほいと出かけてきた。
朝4時半に、えっこらせ、と起き出して、
とことこ、どこどこ、ごとごと、3時間半電車に揺られてついたその先は、
薄曇りのなか、土地全体が、春のやわらかな光につつまれていた。
ときおり、ぬるく甘い風が、ほっぺたを優しくなでてくれ、
ゆったりと時間がすぎてゆく。
山のなかは、樹齢200年の山桜の淡い桃色、常緑樹が冬から目覚めた新芽の黄緑、菜の花の黄色、目に映るどれもこれもが、やわらかな春色で
最後は、もう咲き終わった河津桜の、わさわさと、勢いのある緑のアーチをくぐって、海へ。
そう!
今回の移動手段は、自転車。
MTBは、[「山自転車」なんだから、
コンクリートジャングルのなかで、車道と歩道の凸凹を行き来してたらもったいないよ、って、ケンさんが、言うもんだから、
自転車で、山の中へ行ったことある?なんていうもんだから、
またまた、
新しい体験をしてきたよ。