目白のカフェで。

オープンエアのその場所で、私たちは、もう2時間も粘っていた。

最初にオーダーしたホットレモンティーとクランベリー・ソーダのグラスは、もうとっくの昔に空っぽだったけど、でも、席を立ち上がることはなかった。互いの話は、アラスカやら、森の中やら、ハワイやら、あっちにいったり、こっちにいったりしながら、途切れることなく、ユルユルと続いていた。
知り合って2年以上か・・・経つのに、実は今まで、彼とはきちんと話したことのなかったのだ,、そういえば。遠くから、よくわからないままに、接していた。

だから、初めて、真正面から向き合うこの時間は、不思議な感覚だった。目の前にいるのは、よく知った顔なはずのに、初対面の人と話をしているような錯覚におちいる。


「bettyさー、本質みなくちゃだめだよ。

焦りとか、お金とか、名声とか、心が求めるものと違う基準で仕事選んだら、だめだよ。歯車がかみあわないんだ、そういうときって。うまくいかない。

自分に求められているものをきちんと選んでいけば、スムーズに、繋がるように、コトは運んでいくからさ」
「僕は、その人をよく知るまでは仕事はしない。この人とだったら一緒にやっていていける、大丈夫、と思えるまでは」



・・・あれっ、いい奴じゃーん。
この人と何かが作り出せたら、きっと、いいものが、生まれそう。