sky


成田から23時間くらいかけて、機内食5回くらいたべて、時差14時間で、ヨレヨレになってたどりついたリマは深夜。


空港で、メンバーの荷物がひとつ出てこなかった。その処理をするのに、空港中のカウンターを30分も走り回る。ワラワラと寄ってきて、料金をふっかけてくるタクシー運転手と交渉の末、14ドルで和解し辿り着いたホテルは、夜1時。


やっと眠れる~、とチェックインし、鍵とともに渡されたのは、東京オフィスからのファックスだった。


「お疲れさまです。お客さんが1名、乗り継ぎにミスし、今日はヒューストン滞在です。明日の便で向かいます」



あああ・・・。荷物だけでなく、お客さんも届いてないのか・・・。前途多難。この旅どうなる・・・。




夜中1時ではあるけれど、これはちょっと緊急事態。リーダーの家に、一応電話をしておいたほうがいい。


「こんにちはSean。Ryokoです。今つきました。早速ですが、I have bad news。good newsはなくて、bad newsのみ2つあります。どっちから聞きたい?」


と、夜中にこんな電話をもらう彼もかわいそうだが、事情を聞いた彼は、明るい声でこういった。


「大丈夫だよ、心配しないで。明日の朝、早く行くから相談しよう。ちゃんと解決できるから、大丈夫!!」


ああ、なんだか、カリフォルニアの太陽みたいな(実際Seanはカリフォルニア出身)この声を聞いたら、とても心強く、励まされたのだ。疲れと、不安と、夜中の心細さとが、一気に吹き飛ぶようなこの声を聞いたら。


実際、荷物は翌日届いたし、ヒューストンに1泊しちゃったお客さんも、それほど日程を削ることなく、グループに合流できた。


そして、この最悪の初日から一転、Seanの「任せておけ!」なリーダーっぷりのもと、このツアーは、日々日々、どんどんと盛り上がっていったのだ。もう最後は、箸が転がってもおかしいくらいに、みんなが、ずっとずっと、笑顔で、笑い声が絶えなかった。


***


初日のSeanの受け答え、今でも耳に残っている。どっしりと、任せておきなよ!ってあの、人を安心させる態度、身につけよう、と決心した、今回の旅。