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▲犬橇訓練中の私の「小屋」。小屋というよりホテル並に快適な室内。朝トイレに外に出るとリスと目が合う



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▲部屋の明かりはガスランタン。シューシューというガスの音が、やわらかい橙色の光が、好き。



フェアバンクスの郊外にある、私が好きなこの家は、水と電気が通ってない。


水は汲みおいたものをバケツや洗面器や巨大水筒にとって、大事につかう。トイレは典型的なアウトハウスで、1.2mくらいの穴をあけ、そこに小屋をつくり、その穴が埋まるまで、そこがトイレとなる。お風呂は、近くのコインシャワーへ通う。

電気が通っていないため、料理と明かりと暖はプロパンガスを利用していて、もちろんテレビなど存在せず、唯一家の中にある家電製品といえばパソコンで、これだけは、自家発電した電気を使って、1日に3回、メールをチェックしている。


こんな場所でも、犬橇やオーロラ目的でやってくる観光客は結構いて、その観光客たちからのクレームが、「デジカメの電池を充電する場所がない」、だそうだ。風呂がないのは想像してやってくるが、まさか、電池充電ができないとは考えていない、という。「予備の電池たくさん持ってきてほしいのよねぇ」と、家の主人はため息ついていたけれど。・・・都会の人間は、多分、そこまで頭まわらないかも。




敢えて街の中心から離れ、この不便さを選択したのだ、と、彼らは言う。


私が持っていないものを持っている人たちじゃなくて、

なんだか最近、

私が持っているものを持っていない人たちを、羨ましく思う。




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