最初にアラスカに行ったのは、7,8年前の添乗の仕事だった。
6月。
巨大な蚊がブンブン飛んでいるし
毎日曇りと雨で、客から「マッキンレーはどこにあるの!?」と怒られるし
デナリ国立公園のバスツアーは未舗装道で揺れまくって快適じゃないし
夕食は毎日大味なハリバットとサーモンで飽き飽きだし
ホテルじゃなくてログキャビン、部屋に湯船がシャワーがついていないし
最終日、快適なアリエスカプリンスホテルにたどり着くまで、いい想い出なんてなかった。こんな野蛮な場所、こんな何もないだだっぴろい場所、いったい何がいいんだろう、って
仕事をこなす優良添乗員の目でしかみていなかった私には、アラスカは、いろいろ訪れた世界のなかで、「ワースト1」な記憶だった。
その最悪なアラスカ想い出をを覆してくれたのは、
ひとつは、トレックアメリカのキャンプで経験した毎日 、で、
もうひとつは、ツアーツアーしていないアラスカを・・たとえば、キースの家などを紹介してくれたmasa兄の存在だ。
アラスカに住み、旅行会社を経営する彼は、アラスカを彷徨える子羊たち(私)に、愛を持って接してくれる。
「僕ね、20年ここに住んでいるけれど、今だに毎日毎日、通勤途中の景色に感動しているんだ」って、アラスカを愛してやまない彼が、私は大好きで、
だから、年に数週間、いいところだけアラスカを見ている私の目じゃなくて、毎日毎日そこにいるmasa兄の目を通したアラスカを、ひとりでも多くの人に知ってほしいと願うのだ