Dawn in Peru


犬ぞりに一緒にいった、「まっち☆」さんに、「bettyには自然霊・・・木霊がついている」と言われた。


え?

スプーンを曲げられるから?


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4月はマチュピチュ か。


と気付き、2年前のペルー日記 を読んでいたら、思い出したことがある。既出だけど、あの時のあの満ち足りた気持ちを思いだしながら、改めて、またあの場所へ戻れる幸せを祝福しよう。


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500年前の旧道、インカトレイルを3泊歩いて辿り着くマチュピチュの朝。この最終日は、「朝一番、朝日に輝くマチュピチュをみる」ために、夜もまだ明けぬうちから歩き出す。ようやく薄ぼんやりと漆黒の闇が消え去ろうとするこの時間は、木が、植物が、鳥たちが、大地のすべての生き物が起き出す瞬間の、一日のうちで一番空気の張りつめた、生に充ち満ちた時間だ。


キャンプ場を後にした私たちは、マチュピチュの入り口で、係員が来てゲートが開くのをじっと待っていた。と、ガイドのセザーが、こっちにおいで、と私を手招きして、遠くの山を指さしている。


この日は、月齢28夜くらいで、太陽が昇るほんの少し前、幅2mmくらいのシャープな線の月が、地平線から姿を現していた。

藍色の空、山の彼方、黄金色に輝く一筋の月の光。


セ「どう」
私「きれいだねー」
セ「きれいだよね。月じゃなくて、そう思う心がきれいなんだよ。人間は、きれいなものを見続けなくちゃだめだ。汚いものを見ていては、心も汚れてしまう。だから僕は山が好きなんだ」


と言い終えると、いつものイタズラな目つきで笑うセザー。どこまで本気なんだろう。笑えるほどキザだけど、同時に泣けてくるほど素敵だ。


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「本当に自然のリズムと一体になって生きている人には、大自然のエネルギーが流れ込み、それは周囲の人にも感じられるようになります。」

大場 満郎
冒険家先生の課外授業