雪合戦をした。

3mの高さの崖から、雪面にジャンプした。

10mの下り坂を、でんぐりがえしで転げ落ちた。

新雪の上に寝ころんで魚拓ならぬ「人拓」をつくった。

雪を食べた。


ガキンチョのように遊ぶ私たちをみて、地元の人達は「それは小学生がやること」ってびっくりしていたけれど。あの無垢な雪景色をみたら、誰でも童心に戻ってしまう。


***


最近、ひょんなことから、2年半前に、小学生からの質問に答えたメッセージ が出てきた。



3.この職業にたずさわる上で重要なことは何ですか。

子どものときの、トムソーヤにワクワクしていた気持ちを忘れないこと。
子どもがバージョンアップした大人であること。



なつかしい。こんなこと書いたっけ。


でも、今も気持ちは一緒。

夢と純粋な気持ちを忘れない大人ってカッコイイ。

ああ、そうか。

最上の地 は、そう、誰もがトムソーヤに戻れる場所だから、たくさんの人に、訪れてほしいんだな。



***


「僕が子供のときに、目に映る世界は新鮮で、すべてが新しかった。やりたいことは何でもできた。そうだ。医者になりたいと思えば医者になれたし、登山家になりたければ登山家になれた。船乗りにだってなれた。なんにでもなれることができるんだ。


ところが、年をとってくると疲れてくる。人々は諦め、みんな落ち着いてしまう。世界の美しさを見ようとしなくなってしまう。大部分の人たちが、夢を失っていくんだよ。


僕はいつまでも子供の心を失わずに、この世を生きようとしてきた。不思議なもの、すべての美しいものを見るために。子供の純粋な魂を持ち続けることが大切なんだ。いいかい、君たちはやろうと思えば何でもできるんだ。」


長尾 三郎
マッキンリーに死す―植村直己の栄光と修羅