大場さん


大雪原を前にして、

都会で忘れていた深呼吸を思いだし、

プチプチとした清冽な空気を吸う。肺が喜ぶ。


と、同時に、ここは、「大場満郎アースアカデミー冒険学校 」だから、心も深呼吸しよう。


大場さんを前にして、

大人になって忘れがちな夢と冒険心を思いだし、

ムクムクとやる気を吸うのだ。心が喜ぶ。


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北極から南極まで、いくらでも出てくる冒険談だが、何を聞けるかは参加者しだい。


今回の参加者15人の好奇心を受け止めた大場さんは、ノリノリで1時間の話をしてくれた。ホントは、現地にいって、直接聞かないと、あんまり意味がないんだけど、ひとつだけ、ここに書き留めておこう。


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グリーンランドだったか北極だったか、単独徒歩横断に挑戦していたときのこと。徒歩移動だから、荷物は、軽ければ軽いほど、移動には有利だ。


だから、持っていた、CANONの大きなカメラは、その重さが徐々に邪魔になっていき、ある日、とうとう、そこに置いて行くことに決めた。考えたうえで、写真よりも、ゴールを取ることにした。


カメラを置いて出発したものの、10歩進むと、「あ、やっぱり持っていけるかな」「カメラ弁償するの高いしなー」と気になって、戻ってしまう。戻ると、「いや、ゴールするには、この重さは持たない方がいい」と思い直す。10歩進む。戻る。進む。戻る・・・。


気になって、いつまでも出発できない。そこで、彼は、そのカメラを叩き壊すことにしたのだ。思いきり、氷上に投げつけて、もう撮影できないじゃん!ってところまで、カメラを叩き壊す。で、思い残すことなく出発できた。




置いてくるだけじゃだめなんだ、

叩き壊して、はじめて、前に進めるんだ、


ってこの物語は、


まあ、なんていうか、そのまま人生論じゃんか、


と、心をふるわせた夜だった。


こんな話を直接聞けたあの時間は、「宝石だ」って、後から、現地コーディネーターのまもちゃん が呟いてけれど、いや、本当に。


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犬橇企画、公式報告ページ 、と、3/2~3/4、第二弾 募集中。

大雪原に、宝石、たくさん、隠れてます。