犬ぞり


犬橇。


広い雪原を走り出すと、やがて、みんなの声は聞こえなくなる。


私と犬だけの世界が待っていて、想像力豊かに、ここを、「誰もいないwildernessの世界」だと考えながら、走ることにする。


登りは辛そうに、ちょっとやる気ない犬たちが、


一カ所だけ、そこは、ちょうどいい塩梅のなだらかな下り坂で、雪煙をあげながら爽快に走り抜けてくれる場所があるのだ。


気持ちいいー!と思う瞬間は、犬も私も一緒で、あ、今、同じだね、って、キモチが通じ合った瞬間、


何だかうれしくて、


いつもニヤニヤしてしまう、


この下り坂。