1227-9


夏の間は僕のジョギング道なんですけど、近くにブナの森があるから行ってみますか?との大場さんの誘いに、断る理由はない。


パジェロでブーンと30分、やってきたのは、『奥の細道』、松尾芭蕉が通ったという山刀伐(なたぎり)峠。麓にはほとんどない雪も、山のなかに入ると、どっさりと積もっている。あいにく、俳句の心得はないので、歩いたところで、なんの五七五も出てこない、情けない私だが。


昨日降り続いた雪のおかげで、葉っぱの落ちたブナとナラの森は、代わりに白い雪花で満開だった。時折見つかる、キツネやテンやウサギの足跡に心躍らせながら、サクサクと、ズボズボと、雪と戯れながら峠へのトレッキング。自然林は、人工林と違い、明るくて、開放的で、伸びやかで・・・、いい「気」が充満しているので、歩いていて気持ちいい。




1227-10


標高470mの峠には、樹齢数百年という杉がひっそりと立っていた。巨木の中は、空洞。なかにすっぽり収まって上を見上げる。小さな空間は、木の胎内にいるようで、不思議とほっとする。