小笠原は不思議な島で、

ここで生まれ育ったというよりも、

ここが好きで、「内地」から移り住んだ人が多い。


今回、担当してくれた観光局のネギシさんもカゲヤマさんもそんな方々で、

相当覚悟もいるであろうこの距離を引っ越してきた彼らは、1000キロの距離分、小笠原を愛しているんだろうなぁ、と思った。


それなのに、今回の当たり障りのない観光日程を組まれてしまい、その「愛情」がほとんど見えずに終わってしまったものだから、残念だ、って話を、最後の夜に、やわらかにぶつけてみた。


その返事が、今日のメール。


***


青崎様

少しの時間でしたが、小笠原ナイトの時に
青崎さんとお話させていただいたのが、
私自身にとってとても良い刺激になりました。


大好きなこの島をいかに伝えるか、
この島らしいツアーをつくれるか、
自分がぎゅっと感じた瞬間に従えばいいんだなぁ、、、と。
まだまだこれからですが、がんばっていきます。


ぜひ、また小笠原にいらしてください。
小笠原の海で出逢ったクジラと、アラスカで再会することも
あるかもしれません。


この島でまたお会いできるのを楽しみにしております。


小笠原ツアーデスク
 影山 花子




もう船酔いに怯える数十時間なんてマッピラゴメン、南国なんて、6時間でピューっと行けるハワイで十分じゃんー、もう私が来ることはないと、途中何度も思っていたのに・・・。終わってみれば、小笠原の太陽とか、(空気の)暖かさと(人の)温かさとか、オレンジ色の夕景とか、青い青い海とか、に、また逢いたくなっている。不思議だ。


初日、甲板のうえで、ネギシさんがつぶやいていた。

「小笠原はさ、最後、出航する瞬間が、一番好きなんだ。船、船って独特な雰囲気があるんだよ」


いつものことかもしれないが、

出航するおがさわら丸に向かって、島民たちが、いつまでもいつまでも、小舟から手を振ってくれていた。


あれ、おがさわらマジックに、かかってしまったのかな。