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実は・・・

自分でも無謀だと分かっていたので、黙っていたが・・・。

ユーコンカヌーの後、前から約束していたので、バンフに住む友人とともに、2泊3日で、レイクルイーズの裏山に、バックカントリーキャンプに行っていた。

無謀だ。無謀。
骨折して10日目、右手全部にギプスをはめてるんだから。

だいたい、トレッキングシューズの紐さえ自分じゃ結べないし、
正座をすると、痛めた左足がキューキュー泣くし(テント生活辛いです)、
自分一人じゃ、もちろんテントも張れないし、ゴハンも作れない。水も汲めない。
ロッキーの山中、いつ雨になってもおかしくない山の天気なのに、「濡らすこと厳禁」のギプスはどうすんだ。

にも関わらず、「せっかくのチャンスなのに、つぶすのはもったいない」という気持ちと、同行者の「僕たちは、別にかまわないよ」という大陸的な大きな心に甘えてしまい、とりあえず、トレイルヘッドから15キロ地点のベースキャンプまでは一緒に行こう、と決めた。バカだ。

で、みんなが、山頂を攻めている間は、湖畔で優雅に本でも読んでいるか、と考えていたのだが、実際は、雪のようにハラハラと降りかかる蚊の大群との戦いで、それどころじゃなかった。(奴らは、ギプスの上から、針を刺そうとしてきた。)カナディアン・ロッキーなんて、名前は優雅でも、実際は、熊や蚊に怯えたりして、地道に大変な場所なのだ。

仕方なく、かなりの時間をテントの中に籠もっていたのだが、ロッキー周辺のトレッキングガイドを読みつぶす時間が十分にあったのが一番の収穫。


で、ガイドブックの表紙にあった山・・・カナダのマッターホルン、アシニボイン。山の形に惚れたね。この山は、山脈の奥の方にあるので、バンフの街からは見えないのだ。ヘリコプターで、ビューンと飛んでいってはじめて拝むことができる、秘峰。

カナディアンロッキーといえば、レイクルイーズとマウントロブソンしか紹介されていない日本だ。こんなマイナーな山、誰も知らないだろうと思っていたら、すぐ近くに体験者がいて、今日また、あの山に出会えた

・・・ふむー、これは、来年、行けっていう、神様のお告げかも。

▼こんな山です。

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