前回の「まだまだ白いな 」論に対し、 私の尊敬する旅の大先輩から、


>  「できるだけ、行ったことのない国へ行きたい」と思うのと
>  「行ったことのない国立公園に行きたい」のはそんなに
>   違う事なのかなぁ?全く意味ないの?

   今回はちょっとガッカリのI.E.


というコメントをもらった。「捻った」例が悪かったかもしれないので、ここで補足しておきます。

「10カ国に1回ずつ行った人」と、「1カ国に10回行った人」を、一見分かりやすい国数で旅自慢を競っても、観点が違いすぎるから、あんまり意味がないよね、ということを言いたかった。旅の形は、いろいろあるよな、って意味で。別に、どっちがよくてどっちが悪いというものではない。(それに、旅って、人に自慢するためにするものじゃないしね。)


私自身、次の旅先を決めるとき、新しい場所を見たい!という気持ちと、前回訪れて興味を持った場所を、より深く掘り下げて見てみたい!という気持ちのふたつが、いつも拮抗し、悩む。

それと、私が常々思うのは、今の日本のその辺で売っているツアーは、この「行った国数(または有名な観光地)を増やす」ことしか考えていないであろう旅程が多いことへの嘆きだ。

土地勘も感覚も分からない消費者が、それ(安く、短期間で、沢山の有名観光地!)を望む気持ちは分かるが、仮にもプロである提供者が、「売れるから」という理由だけで、安易にその気持ちに媚びて、ツマンナイツアーを作っちゃいけない、と思う。


ペルー5泊7日で、マチュピチュも、クスコも、チチカカ湖も、ナスカも、リマの観光もするなんて、行った人は分かると思うが、むちゃくちゃでしょう?これを作っているのは、誰もが知っている旅行会社、H。


こんな1週間に40万円を使っても「ああ、ペルーって、空気薄かった」しか、思い出残らないじゃん・・・。貧しいお金の使い方させちゃ、だめだ。


無理矢理な日程で、有名観光地だけを詰め込んであるツアー。写真だけとっていくような旅の仕方をしても、そこに足を踏み入れた意味は、あんまりないんじゃないかなあ。


売り手の論理じゃなくて、買い手の方を向いて、行った人が、その国・場所をもっともっと好きになれるような旅を、提供していくのが、私の信念です。