アラスカのお誘い  をしてみたら、早速問い合わせがあった。ありがたやありがたや。「メールを読んでいたら、ふと、アラスカもいいかな、って思い立ってしまって」、オフィスにやってきたフクさんと話をしていて、考えたこと。

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旅を迷う人にいつも話す。旅というのは、

1.お金
2.時間
3.気持ち、気力


の大きな三つ輪が重なって初めて楽しくでかけられるものだから、もし、今その輪が重なっているのだと感じたら、他の小さな心配事は全部忘れても、行っておいた方がいいですよ、人生の中で、この輪が重なることは、そんなに多くはないから。と。

自分に限っては、いっつもこの輪は重なっているんだと思っていた。ない「お金」は知恵と人脈を使えばいいので、意外にクリアしやすい。まあ、小さくなりがちな輪は、あえて言うなら「時間」か?と思っていたのだが。

ところがどっこい、実は、このなかで、一番どうにもならないのは、3の「気持ち、気力」なのだ・・・と、いう事実に最近気づいたのだ。旅バカで、成田の出国審査場が大好きな私に限って、他が難しくても、条件3,が消えることはないと思っていたのに。

明日から、半年間、練りに練ってきたヨセミテツアーが出発だ。アラスカに続き、また見送り側に回る自分は、とてももどかしいのだが、同時にちょっとだけ、ほっとしている。今、旅に出ても、100%楽しめなさそう、この力のない手では、と、尻込みしている陰の自分が、ほっとしている。



外に出て土の匂いを嗅ぐよりも、人たくさんの町中に出るよりも、家の中で、ひっそりと静かに過ごす時間がうれしい。真夏なのに、すっかり冬眠中の私の、この気分に沿った愛読書は、フリーダ・カーロ 。・・・暗い。

あと何日かして、手が「大丈夫!」と確信持てた瞬間に、トレッキングシューズの紐を、自分で力一杯キュッ、と結べるようになった瞬間に、ハレバレと、また外に気持ちは向かうといいなぁ。

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今日の結論は、「輪が重なっている幸せを、もっと噛みしめて、そのチャンスをフイにしないでね」、でした。輪が崩れる瞬間は、自分の意志とは関係なく、思いもかけずやってくるよ、ってことを主張したい。

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本日の握力25。(前回比+3)。

毎日計っても、そんなに変わりませんよ、と、リハビリの先生に笑われる。が、笑われながら、ダンベルの使い方を教えてくれたので、今晩も、かわいい1キロサイズダンベルで、ヒョコヒョコ右手を動かす。