▲HABANA到着初日は、偶然にもカーニバルの夜だった。初日から、彼らの「踊り」エネルギーに圧倒されて、キューバの旅は始まった。
ドイツ出張中の知人から、自慢げなメールが入っていた。
「散歩している時に、街の中心にあるニコライ教会で、「Bach und jazz」というコンサートがあったんで行ってみた。料金は8ユーロで手頃な値段だったしね。でも、今ひとつ、心に響くモノがなかったね。一生懸命に楽譜を見て、マジメに演奏している感じ。何ていうか、やっている本人が楽しそうじゃないんだよね。感情が伝わってこないというか。前に一緒に聞きに行った、キューバ好きの人の歌は良かったよね。」
「キューバ好きの人の歌」
って、それは、ソンの歌い手、ITAMAE
さんのことのことね。
そう、彼の歌が、私はとても好き。
彼のすごさは、「ソンが、キューバが大好きでやっている」という気持ちと、「一緒に時間を過ごしてくれてありがとう」という気持ちが、歌からずっどーんと直球で伝わってくることか。そして、歌いながら時折投げかけてくれる笑顔が、キューバの太陽みたいに強烈だ。
彼の日記のなかに、こんな文章があった。
6/8(水) ‘心に残る笑顔’
キューバの人の笑顔は強烈だ。
何者も拒まない、そして何者にも拒ませない力を持って相手の心に残る。
時間をかけ、その笑顔は思い出の中でさらに彩り鮮やかになっていく。
・・・キューバ人のことを書いているが、まさにこれはそのまま彼のこと。
ヘンな計算やリターンを求めずに、全力で、「キューバエネルギー」を注いでくれるミュージシャンITAMAEを、私は愛してやまない。
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世界中に大好きな土地がある私だが、時間もお金も体も有限だから、そうしょっちゅう、訪問できるわけじゃない。
たまにどうしようもなく恋しくなって、あの空間を日本でも再現したいと願う。手っ取り早い手段が、その土地の食事が食べられるレストラン、その土地の音楽が聴けるやライブにいく、という方法だが・・・だいたいにおいて、ガッカリして帰ってくる方が多い。六本木のサルサは、何だか、私の求めている世界じゃないー!
でも、ITAMAEさんが奏でる音楽は、キューバそのまんま。
先日、久々に、彼の音楽を聴くことができた。吉祥寺の、「BOOK OFF」と「ユザワヤ」が窓の外に見える、どうにも狭いライブ会場にいるはずなのに、音楽のせいで、窓の外から風が吹いてきた瞬間、自分が、地球の反対側、キューバの古い町の、石畳の街角に立っている錯覚をおこして、目眩がした。
サンチャゴ・デ・クーバ・・・キューバの南の古都。あそこで過ごした数日間の気持ちと空気が、記憶の奥底から、鮮やかに蘇える。
夜の湿ったねっとりとあたたかい空気と、
やわらかい橙色の白熱灯の光のもと、静かに佇む大聖堂と、
甘ったるいラムの匂いと、煙くてどっしりと偉そうな葉巻の匂いと、
踊りませんかといつまでも懲りずに誘ってくる男たちと、
ホテルから遠巻きに広場を眺める白人の観光客たちと、
扉の向こうのパティオから聞こえてくるサルサのメロディー。
どうしても本場のサルサのステップが知りたくて、
ロンリープラネット片手にカタコトのスペイン語で、ドキドキしながら叩いたダンス教室の扉。
どうしても地元の人たちのサルサが聴きたくて、
ドキドキしながら通った、町はずれ、坂の途中にあるCASA DE LAS TRADICIONES。
ローカルのおっちゃんにラムを奢られ、
この店に100年前からあるというオルガンを自慢げに説明され、
最後は家に連れていかれて、余裕なんかないはずなのに、最大限、考え得る限りの温かいもてなしをうけ、
少ない写真のなかから、記念に、と、スナップ写真をもらった。
「僕の大切な日本の友達へ」と、右下にサインをして。
なんの見返りも求めない親切を受け、キューッと切なくなったあの気持ちを、
ギラギラと原色に自己主張するBOOK OFFの看板の向こう側に思い出していたよ。
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ITAMAEさんへ
ありがとう。
また聴きにいける、再会できる日を楽しみにしています。
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● 今、探検隊オフィス
に遊びにくると、ITAMAE音楽
がかかっているかも
● で、キューバにいきたくなったら、ぜひ GAP ADVENTURE
で 地元に目を向けた旅を!
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ところで、彼と一緒にグループを組んでいるMUCHOさん・
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店を出るとき、「いい時間をありがとうございました」と言ったら、にっこり笑ってぎゅっとハグしてくれた。
日本人男性で、あそこまで、イヤらしくなく照れもなくさわやかに自然にハグできる人って初めて出会った~。かっこいい~。はっ!日本人の顔したキューバ人か!?