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再びチチカカ湖。葦でできた、奇妙な浮島、ウロス島。誰が、草で自分の足下をかためようなんて突飛なこと、考えついたんだろう?

昔ながらの生活をしつつも、島民たちは、したたかに、観光客相手に商売をしている。

やっぱり葦でできた船で、島の周りを一周するのが、観光客の定番。船を漕ぐお母さんにくっついて、子供たちが一緒に乗り込んできた。で、曲の名前は忘れたが、チューリップだとか、ぞうさん、だとか、そんな童謡を、日本語で歌いはじめる。チップ目当てで。多分、写真を撮れば、やっぱり「プロピーナ!」と、チップをせがんでくるだろう。

そういうのを「いやー、日本の歌を知っているのか、すごいなー」って拍手できるほどに素直じゃない私は、ちょっと彼らには興ざめしていたのだが・・・

ふとしたことから、友達になってしまった。

船上で、彼らの目の前で、ちょうどフィルムが終わった。カメラを開け、フィルムを取り替えていたら、その作業を、興味深げにじーーーーーーーーーーーっと観察している。初めてみたー!って、興奮した顔つきで。だから、私は、彼らに見えるよう、ゆっくりとフィルム替えを実演してみせる。デパートの「この包丁はこんなに良く切れる!」実演おじさんになったつもりで、いちいち大げさに作業する。

で、丸いフィルムケースを、「あげるよ」と差し出したら、リーダーの男の子は、「おおっ!」と嬉しそうにそれを受け取ってくれた。よし、これで、友情成立。(←トムソーヤみたい)。

その後、写真撮っていい?と聞いたら、恥ずかしそうに、嬉しそうに、頷いてくれた。だから、この写真は、チップ目当てじゃなくて、友達成立!の写真。

でも、手は振らないでほしかったなー。顔隠れちゃうじゃん。