人との出会いは、天文学的な偶然の確率だと毎回思うが、場所との出会いも、また、不思議な偶然。広い地球のなかの、この場所と出会えた幸運を、私は今、とても感謝している。

ハワイの離島。
ハワイといっても、ワイキキビーチとは180度違う、静かで神聖な場所だった。

片道19キロ、80Lの大きなバックパックを背負って、丸一日かけ自分の足で歩き続けた者だけが、そこに立つことを許される、幻の、KALALAU BEACH。

私にとって、初めての重量の荷物だ。車も入れないトレイルの途中で泣いても誰も助けてはくれない。結局、そこにたどり着けるか、そして帰ってこられるかは、内なる自分と向き合い、対話することに行き着く。3泊に及ぶバックカントリートレッキング中は、常に緊張の糸がピーンと張りつめていた。

そのせいかどうか、ほんの数日前にいたはずの、あのビーチなのに、戻ってみると、どうも現実感がない。幸せな夢から覚めてしまったような・・・浦島太郎みたいな気分の今。

恋する場所が、またひとつ増えてしまった。

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そして、トーキョー。
1週間ご無沙汰したら、この街は、すっかり春。