ハワイに来る前、知人から一冊の写真集を見せてもらった。虹の写真集。この写真集とても気に入ってるんですよ、という話だったのだが、今考えれば、それは偶然にも、ハワイ島で撮られた写真だった。

そして、今、その理由がわかる。
ここハワイ島は、貿易風と4000mのふたつの山のせいで、島の東側はいつも雨、西側はいつも晴れている(らしい)。今いる場所は真南なので、ちょうど晴れと雨の境目にいるわけで、ちょっと車で走っていると土砂降りになり、そのまま10分走ると太陽がでてきて、また10分後には霧に覆われる、といったように、1日に100回くらい、天候が変わる。土砂降りの降り方と言ったら、笑えるほどで、前が見えないほどに、たたきつけるような降り方。

車に乗っているときは、それでもいいのだが、トレッキング途中だと、正直、自分の濡れ鼠加減に情けなくなる。が、それでも「ハワイ島いいよ」と思うのは、その雨は、長くても1時間もすれば止む、という事実。と、止んだ瞬間、太陽を背にしてみれば、地平線から大きな虹がでている、という事実。

1日に10回は、空にかかる巨大な橋を、口をあんぐりあけて見上げている。


ところで、今日は、海辺の露天風呂に行ってきた。そういえばここは活火山の島なので、温泉のひとつや二つあってもおかしくないでしょ?

サーファーが喜びそうな高波の岸の横に、小さな囲いがあって、ひっそりと露天風呂になっている。観光客はいない。地元の家族連れが、2,3組。
もぐれば、黄色や赤色のトロピカルフィッシュ。見上げれば、青空と椰子の木。そして、水平線沿いには、青い海と白い波。

ハワイならではの、露天風呂だった。